深夜放送センス
犬惑星さんid:dogplanetの日記とコメント欄でのやりとりをしていて、
どうして私はあんなイカ臭いファウストや映画秘宝に轢かれてやまないのかと考えてたら
約10年前に聞いてた伊集院光や電気グルーヴのラジオを思い出して「あぁ」と感慨深くなりました。
例えば乙一さんは堂々と伊集院光のラジオの影響を語るし、佐藤友哉や滝本竜彦も語ってたし文章みると当時のラジオのはがき職人っぽいんですよね。
多分伊集院光と電気グルーヴそれに大槻ケンヂさん(あとはフリッパーズギターの小山田、オザケンか?)あたりが90年代前半に振りまいた毒種(もしくは精液)がここ数年で開花してきてるのかなぁって気がする。
そういや伊集院のラジオでやってた「お弁当つけてドコいくの?」っていう、アイドルをイメージキャラにした今風にいうと「萌え萌え」なシュチュエーションを考える投稿コーナーがあったけど
アレなんかギャルゲー的だなぁと今は思う。
ちなみにその伊集院や電気のルーツを辿ると言わずと知れた「ビートたけしのオールナイトニッポン」にたどり着くんですよね。多分ビートたけしの最大の功績は面白い奴もモテるっていう価値観を作りだしたことなんだと思うんだけど。
故ナンシー関さんはテープを残してるって言ってたし、当時みんなたけしの口調になってた。なんて話も残ってる。
ついでに言うとクドカン*1も熱心なリスナーだったらしく、高田文夫さんは「ナンシー関とクドカンと浅草キッドを産んだのがビートたけしのオールナイトニッポンの功績」ってことをどこかで書いてた。
今はどうかわかんないし伊集院のラジオもしばらくご無沙汰だからよく知らないけど
相当数の陰々滅滅としたコの内面を、それこそナイフ持っちゃうような可能性のあるコを救ってくれたなぁって実感はある。
もちろん私も。
なんつーかやっぱ暗くてジメジメした笑える場所が必要なコっているんですよ。
特に思春期は、今でもそうなんだけど私の場合(泣)
男女かまわず、そういう場所だったんですよね。
そこで傷口に更にワサビを塗りたくるような(笑)
そういう場所が今はどんどんなくなってて、一方でベタ化してるゴスロリとかビジュアル系みたいな方向とかしゃべり場みたいなのはやっぱ何だかなぁってのがあって乗れなくて
わかりやすい個性に逃げられないコたちを引き受けてるのがファウストであり映画秘宝なら断固肯定しますよ私は。って感じです。
ただ伊集院の場合は暗いウジウジした内面を更に笑っちゃう、そういうお前はどうなんだ?っていうダメに酔いそうで酔わないトコがあったんだけど。
95年以降はエヴァが出てきて、滝本竜彦とか佐藤友哉はそっちの影響も受けてるんですよね。
っていうかそっちの方がデカいか。
ファウスト世代ってのは多分伊集院とエヴァの間で生まれた奇形の果実だと思うんだけど
やっぱ具体的に見える形ではエヴァの方がデカイですからねぇ。
それが、あのどうにも煮え切らない負のナルシズムを温存する元凶かなぁって気もします。
多分更に下の西尾維新になると伊集院センスが薄いですからね。
その代わりアニメの要素が強く出てきてて、だからわかりやすいファンが一番つくのかなぁ?って気はする。
多分上で書いた伊集院、大槻ケンヂ、電気グルーヴも微妙にグラデーションあるんですよ。
私は一番電気グルーヴが好きだったから思うんですけど、女面での屈折は電気にはなかったですからね、だからギャルゲーセンスは皆無なわけで。それが伊集院とかオーケンになるとアイドル幻想みたいなのが出てきて*2、そこでギャルゲーに行くんだろうなぁ。
そういや筋少の曲が綾波レイの元ネタなんですよね。そう考えると繋がってる。
とまぁ深夜放送の話になるとキリがないんですけど、ようするにファウストのあの感じって十年前の伊集院のラジオの感じを知ってる人にはすごくピンと来るんですよね。もういろんな言葉使わなくてもわかるわかるって感じで。
そう考えると伊集院が果たした役割って恐ろしいなぁと思う。
中森明夫なんかより全然黒幕ですよ。
今回は舞城さんは芥川賞とんなかったけど乙一さんとかあの辺りの人が頭角を表してきた時に伊集院が意図せざるトコで果たした役目って更にわかると思うな。
でも東浩紀さんは伊集院聞いてなかったんだろうなぁ。
なんかそんな感じがする。