[映画]花とアリス 監督・岩井俊二

岩井俊二の映画を見ると私は少女だったあの頃に戻れる。










なんて思うほどずうずうしくありませんけど、いやぁお見事
岩井俊二の映画に出たいっていう女優さんって結構いると思うんですけど
その気持ちすごくわかります。
こんな綺麗なセカイみせやがって、ちくしょう映画館から出たくないよぉ
あぁ汚い現実に帰らないといけないのね〜
とか思ってまだ夢うつつです。
普段「僕」系の男の子をボロクソに言ってるけど
ここまでやられたら、参りましたって言うほかない。
もともと岩井さんの作品は大作より小品系の方が好きなんですよ。
打ち上げ花火〜とか四月物語とか
この「花とアリス」は元々ネット配信かなんかで作られた短編を一つにまとめたものって話だけど、全編いいとこどりって感じでしたね。
その分ストーリーの流れがわかりにくかったり、変なトコで切れたりとかあっるんだけど、私は映画って映像と音楽のパズルだと思ってるので
そのパズルがつながってればストーリーもテーマも本当はいらないし
そんなもの自然に出来上がってくるんだと信じてるので。
前回のリリィ・シュシュのすべてはその余計なものが多くていい映像や音楽があってもうまくつながってなかった気がするけど、今回はそれが逆だった。
多分映画館で見るより、DVDとかで延々と映像だけ見てる方が楽しいかも
もともとミュージッククリップ作ってただけあって、こっちの方が本領です。
宮崎駿さんでいうともののけ姫が「リリィ・シュシュのすべて」で千と千尋〜が「花とアリス」です。というか前半はとなりのトトロを思い出してました。
多分映画としていいとかじゃないんですよ。
もっと違うものとしてよかったです。
岩井俊二はこういう20%くらいの力で撮ったような作品を量産して欲しいですね。この作品もさすがに見終わったら疲れて、テレビで30分づつとかが理想です。

とここまで書いて作品評に行きたいのですが、もうちょっと浸らせて(笑)
あぁ何か余計なこと考えたくないなぁ〜ダメだ私〜

とりあえず鈴木杏こと花ちゃんがよかったです。後半は蒼井優なんだけど
彼女はいい女優さんですね。いい意味でやぼったい。
映画で「蹴りたい背中」やるなら
「ハツ」は彼女にやってほしいですね。
一年後ぐらいに、そういう女優さんだと思う。どうですか岩井さん?

最初の中学の制服のやぼったさも素晴らしいなぁ。ああいう風景を綺麗に見せる力ってスゴイなぁ。

この間の続きでいうと岩井俊二は立派なスケベですよホント
見ててさぁ例えばバレリーナのシーンとかあってレオタードとか気になるんですよ。ちょっとあざといかなぁって、でもそれがいわゆる「投稿写真」とかあっちの世界じゃなく、かといって「ちんかめ」とかのアートじゃない。
その間のすごい綺麗なトコ+ちょっとおかしい世界観を見事に表現してるなぁって思う。何ていうの?素材はさぁギャルゲーとかと、そこらのラブコメと同じだし、欲望の根源も同じ、つまりオタク的なんだけど
出方が違うというか昇華されてるって感じ?
ホント「僕」系の男のコの希望ですね。みなさん岩井俊二を目指してください*1。(無理か)

本当は記憶のついてとかこの作品から考えさせられたこといっぱいあるんだけど、ちょっと整理ついてから続き、書きますね。
見た方いらしたら感想とか教えてほしいです。もう少しで公開が終わるから見てない人は是非見て欲しいです。特に「僕」系の方にオススメですよ。
くやしいなぁ本当はこういうの嫌いなのになぁ(笑)

*1:もし批判できるとしたら男のコの希薄な描写ですよね。岩井監督自体が自分の男性性についてどう考えてるのか?多分最後の蒼井優のバレィを見つめるプロデューサー視点が岩井さんなんだろうけど。まぁ下手に考えてリリィ・シュシュやるなら一生少女を撮り続けてほしいけど