24アワーパーティーピープル 監督マイケル・ウィンターボトム

公開時にも観たけど、やっぱ面白い。
ただこの面白いって変な言い方だけどつまんないトコも含めて面白いんですよね。これはマイケル・ウィンターボトム作品全般に言えるけど、ダラダラとした単調で眠くなるシーンもそういう弛緩した日常に今いるんだなぁっていう説得力を与えてくれて、その退屈さをみるために観てるトコもあります。
内容は実話を元にした擬似回想録みたいな感じ(途中トニーウィルソン役の人がカメラに向かっていろいろ言う)なんだけどそれを映像でやったから変な面白さがあるなぁ。
多分これが完全なフィクションだったら完全にアウトで、実話を元にしてるから行き当たりばったりというか突然起こる数々の出来事も納得できるし、逆に説得力がある。
あと基本は音楽映画でずーとマンチェスター系の音楽がかかってるのが嬉しいです。アコースティックバージョンのブルーマンデーとか最高ッス。

とりあえず好きなのはハッピーマンデーズのメンバーに関するエピソードを忠実にインチキCGで描いてるトコでべスがUFOで登場するシーンとか回想録だろ!ってツッコミたくなるけど、そのインチキ加減がまた、マンチェスターです。
多分ベクトルとしてはマンチェスターという町の話と音楽の話とトニーウィルソンっていう変人の話の三方向に向いてるんだけど。
やっぱトニー・ウィルソンっていう人の変人っぷりが素晴らしいですね。
いやぁ、ああなりたいですね(笑)
イチイチかっこいいんだもん、あと嫌味だし、失敗続きなのに反省しないし*1
日本の感覚でいうと乱一世がクラブ開いてレーベル作るような感じなのかな(笑)偉そうにポストモダンとかレイヴカルチャーとか言ってるんだけど回りの人は「はいはい」って感じで流してて、トニーもそれに何とも思わないみたいな描写が面白いです。
多分ああいう勘違いした変人じゃないとああいうムーブメントは起こせなかったんだなぁって思いました。
あとライブで踊る人、特に最初のピストルズのライブではねてる人たちがよくて、多分当時のマンチェスター(多分今もだけど)って田舎で娯楽が音楽しかなかったんだろうなぁ、だからあの熱*2
があるんだろうなぁ。

正直映画として褒める人はあんまいないのかもしれないけど
いい映画だなぁとか思いました。
最後のニューオーダーの曲にそして涙ッス。

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*1:どう観ても挫折の話なんだけどトニーのふてぶてしさがそう感じさせない、特にラストの神様との対話なんか

*2:といってもドラッグも絡むんだけど