エースをねらえ!

で、今期の大穴というか掘り出しものはコレですね。私は二話から見たんですけど、面白いです。
私はアニメの印象が強かったから絶対失敗すると思ったんですけど、アニメの出崎統さん演出の筋肉の脈動感溢れるテニスシーンが描けない代わり*1人間ドラマと内面の掘り下げに力を入れていてそれが成功してる気がします。
突然ですけど主題歌の「エースをねらえ!」が素晴らしいですよね。
あのコーォトでぇは〜誰でも一人一人きり、わた〜しのあ〜いも〜わた〜しの苦しみもぉ〜だぁ〜れ〜もわかぁってぇ〜くれぇなぁい〜」ですよ。
最近私が本を読むときの規準に人間の孤独感についてどれだけ掘り下げてるかが基準になってるんですけど、この作品は私の感覚からすると合格です。
あのコートってのはまさに人生で(何てベタなことを言ってるんだ私は)

要するにこれって、甘ちゃんの*2岡ひろみが自立していくための物語なんですよね、それを厳しい目線で見守るお蝶婦人や宗像コーチがいて、昔は宗像コーチやお蝶婦人の良さってわかんなかったんですよ、単なる意地悪にしか思えなくて(笑)テニス部内であんだけ岡ひろみにかまえばそりゃイジメられるし孤立もするだろう、無神経だなぁとか思ったし、お蝶婦人の「私かテニスかどちらか一つ選びなさい」も何て高慢ちきな!とか思ったけど
その奥にある、先人ゆえの厳しいやさしさ「この先もっと苦しいことがあるんだよ、だからこれくらい平気じゃなきゃ」って感じの部分が今はよくわかるんですよね、多分お蝶婦人もイジメに会わないまでも、強さゆえの孤独を味わっていて、宗像コーチもそうで、だから最初の突き放しは、ここでやめれば俺たちみたいな苦労は味あわないで住むからそれならそれでいいって感じが滲み出てるんですよね。今見るとイイ男ですよ宗像仁!
あと先人ゆえにお蝶婦人は自分の限界が見えてるんですよね、対して荒削りながら未完の大器である岡ひろみがいて、こいつはどんどん力をつけてくなぁってのがわかってる。
一見、天才、お蝶婦人VS努力の人、岡ひろみ
の対決に見えるけど、今の岡ひろみはからっぽの分だけ何でも詰め込めるし、どんだけ詰め込んでもつぶれないタフさがある。その器のデカさ=才能
なんですよね。それがわかってるから、お蝶婦人は畏怖してて、やがて3話でテニス部をやめた女の子みたいに、ひろみの才能の前に屈服してしまう。
だからすごい残酷な才能の話でもありますよね、コレ
でも当の岡ひろみはそのことに全然無自覚で能天気(笑)時々こっちが腹立つくらいで、まぁ上戸彩のイメージとぴったりだけど、だからテニスの勝ち方も変ですよね、必殺スマッシュとかじゃなくて粘り勝ちだし。
もしかしたら中高生とかなら「岡ひろみ」に感情移入してるのかな?
私にも才能が!って感じで、私は完全に宗像コーチとかお蝶夫人の目線で見てたけど。
あと平岩紙ちゃんを悪役で使わないで!ってことと吉沢悠とかわいがもん似すぎってこととお蝶婦人はもっとタッパが欲しいなぁとか思いました。

*1:テニスシーンはCGでボールの強弱やラケットで弾くインパクトを再現していて、二話の感じだとイマイチだったけど3話では意外とよかった、もっとケレン味を出してもいいかも

*2:でも未完の大器の