いわゆる80年代ブームってのがあるらしくて、その参照作品としてよく
岡崎京子さんの「東京ガールズブラボー」が引き合いに出されるけど、あれを岡崎さんが書いたのは90年代初頭で、別冊宝島に代表されるような80年代批判に対するカウンター*1で、当時あえて80年代をリスペクトしてたってのを忘れてほしくないなぁと思う。
それも80年代の風俗や文化が素晴らしいからリスペクトしたんじゃなくて、自分が青春期に触れたものだから、それが客観的に見てスカでも、私にとっては切実なもの入れ替え不可能なものだから岡崎さんは、あえて肯定的*2に恥ずかしいうちに描いたんだと思う。
80年代という時代の風俗をほとんど体験してないから是非はわからないけど、時代が変わったからって簡単に自分が享受した時代や文化をコロっと忘れちゃう。
そういう人たちに、あれは突きつけられた作品だ。多分

なんかそういう文脈ってどんどん忘れられてくのかなぁ?
正直、今の80年代ブームって80年代に青春を過ごした世代の人がいい年になって発言力が強くなっただけだろ*3?って思う。
もちろんその中から秀作と言えるもの、例えば宮藤さんの一連のドラマや大槻ケンヂさんの「リンダリンダラバーソウル」や「グミチョコレートパイン」シリーズは素晴らしいと思うけど、それらは別に風俗に頼ってるから面白いんじゃなくて、作家さんの力による部分が強いと思う、だから80年代ブームとやらが終わってもちゃんと残るだろうし。

あ〜結局何が言いたかったんだろう?
つまりみんな自分の青春時代は特別なものに見えるってことかな?
まぁそれはいいけど、昔話は恥ずかしいうちに美化しないで語ってください。
って感じかなぁ。
それは私にとっては90年代、主に前半なんだけど、
自分語りをしてしまいたい欲望が消えないなら
変に美化してしまう前に書いとかないといけないかな?
とちょと思う。(オザケン風)

*1:当時私はまだバカ高校生だから正しい文脈はわかんないけど、軽薄なものはダメだ、もっとシリアスなものを!って要求は世間的に強かった気がする。そして私もやっぱシリアスなものを求めてた

*2:といってもクールな描写は多々あるけど

*3:大塚英志さんの「システムと儀式」という80年代末に書かれた評論集にノルウェイの森、1969、飛龍伝と団塊の世代が自分達の青春を肯定的に語り出したことに違和感をしめしてたけど、20年たって大塚さんも同じことをやってる。私はおじさんやおばさんの昔話を聞くのは好きだから別にいいけど、なんだかなぁ