NANA

で、アイデン&ティティを観た後NANAのことを考えるとNANAのバンド描写ってのはつくづく少女漫画だなぁっておもいます。
id:TRiCKFiSHの所でNANAのパンクや音楽の書き方はファッションだって議論が出てましたけど、実は最初私も思ったんですよ、矢沢あいさんって本当に音楽が好きなの?にしてはベタじゃないピストルズ?って感じで、ただ一方でそう思う自分の方がこだわりすぎで、これくらいがエンターティメントとしては調度よい、これ以上マニアックにやったらついてこれない客がいることを知っての描写*1だと理解しました。その意味でかっこいい王子様のお城の象徴としてのバンドなんだと理解してます。
あとはナナとレンの関係をシド&ナンシーになぞらせてるんでしょうね。あの錠前のペンダントで、作中でシド&ナンシーを見た知識しかないハチをナナがバカにしてるからややこしいんですけど、それとノブとの出会いのきっかけになったCDがピストルズのアルバムだったから、そういう絆の意味もある*2、多分ナナが音楽に興味があるか、ないか、自分の表現としてやってるか?って微妙な気がするんですよね、もっと切実なバンドという共同体を維持していきたいという気持ちの方が強い気がします。そのために演じてるといったらアレですけど。
だから私から観るとすごーく優等生な感じがするんですよねナナって優等生のパンクスっていうか
NANA以前に読んだほとんど唯一の少女漫画で「彼氏彼女の事情」というマンガがあってその中にかつて親に虐待されたがゆえ強く完璧ないい子にならなければいけなかった有馬総一郎君という仮面優等生の男の子が出てくるんですよ、彼は同じく見得から仮面優等生だった宮沢雪野という女の子と出会うことで恋をして二人で素直に自分らしくいきていこうとする話なんですけど、前半で雪野ちゃんは見得王から脱出していくんですけど、その姿を見て有馬は絶望するんですよ、自分とは違うって、結局彼は親との確執が尾を引いててふっきれない、私はNANAを読んだ時
彼氏彼女の事情」の雪野と有馬の関係に近いのかな?って思って比較しようとしたんですよ、でもあっちは男と女だし、今や雪野はスーパーヒロインになってしまい、悩める有馬を救うためにいろいろする側になってしまいました*3
NANAはそっちに行くのかなぁ?私はどうも違う気がしますね、ハチがナナを救う側に行くとは思えない。自分のことでせいいっぱいだし。
多分これからナナはいろんな人や居場所を失っていくんだと思います。それとまだ触れられてないナナの両親の話。その過程で壊れて傷ついていくナナを受け止めて支えてくれる人が現れるのか*4?あるいはそんなのなくて一人で生きていかないといけないよって方に行くのか?その辺りが私の関心事です。

追記、まだ書き足りないので他の視点からも後々書いていきたいと思います。

*1:止めているのか興味ないかは別として

*2:その時のことナナが大切にしていることにノブが気づかないのがちょとおかしくて哀しいです

*3:強いヒロインが悩む王子様を助ける話ってのは単純にすごいなぁって思う、そうかお姫さまが王子様を助けてもいいんだって

*4:そのためにはナナはまず自分の弱さをさらさないといけないけど