Re:自明なことがなにひとつない時代に生きる、なにひとつ自明でない私

コチラ参照
http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20040904

題名よかったのでそのまま借用いたしました。

まず赤名リカとナナの違いというか、柴門ふみ矢沢あいの違い
は世代もあるけど田舎の優等生と田舎のヤンキー*1の違いではないか?
と思った(笑)柴門さんはたしかお茶の水大学出身ですよね。

いや結構ヒドイこと書くことになるんだろうなぁと思って書きあぐねてたけど
雇用機会均等法以降の「第三の道」のキャリアウーマンへの道がある種の女性にとって輝かしくなくなったのは、そこに居続けるには、それこそ高偏差値の大学行って語学も堪能でっていう
要求されるスキルが実は異常に高かったってことですよね。
しかもそれだけ高いスキルを身につけるためにはいろんなものを犠牲にしなくちゃいけなくて
それでも同期で入った男性の方が先に出世していく。
って構造があって。
そりゃワリに合わんというのを先の世代を見てて思ったんじゃないですかね。
多分バブルの頃は私も赤名リカになれるかも?って幻想を持たせる豊かさがあったんだろうけど
不況になったらそれが露骨に見えたというか。
あと「東電OL事件」ですよね。あれはオタクのとっての宮崎勤事件と同じ衝撃を少なくともフェミニズム系の人に与えてて。あの事件の被害者は雇用機会均等法の世代より5歳くらい上だから少し事情が違うと思うけど、そこまでがんばっても彼女にとって会社は居場所として機能してなくて
第三の居場所としてのデートクラブとか売春相手が必要だった。
まぁ推測というか桐野さんの「グロテスク」からの印象ですけどね。
あとそのキャリアウーマンへの道を歩むにはソレ相応の軍資金というか
お金がかかるわけで。何か学歴と貧富の差というか階級差が連動してるって断言できるほど資料をもってないので辛いトコなんですけど、NANAの読者になるような下の世代がキャリアウーマンに夢見れないのはそのあたりかなぁと思います。
正直、高学歴の獲得のための努力も才能を磨く努力も同じように見えますもんね。
いや才能の方がもしかしたら?って夢見れる分だけマシかも。
それに較べたらハチみたいな女の成功の方が近く見えるんじゃないでしょうか?
だから矢沢あいは赤名リカ的な登場人物を描かないんじゃないでしょうか?
もっとロークラスたしか「女子高生からキャバクラ嬢まで読んでる」って言われ方してるけど「負け犬」層は読んでないし馬鹿にしてるでしょ多分。
多分矢沢あいを一生懸命読んでる層って中高から専門・短大,大学生でも偏差値60以下ってあたりだと思うんですよね、自覚してるかしてないかは別にエリート層は読まないだろうし美大生はハチクロに行くだろうし。
まぁ極端な言い方ですけど、でもその中途半端な中間層に向かって書いてるんだろうなぁってのは思うんですよね。だから面白いというか。
あぁ書いちゃった(笑)

あとちょっと反省というか訂正なんですけど
私はモダンガール論の
社長婦人と社長の道ってのを
結婚と仕事の二分法で見てて、社長ってのとキャリアウーマンを同じものとしてみてました。
松谷さんの分類だとソレは=じゃないんですよね。
じゃあキャリアウーマンの道ってのは何かなぁって考えると
学歴という価値基準の中で男女対等が成立した場所ってコトですかね?
対して社長ってのは文字通り商売人として生きる道というか。

じゃぁナナにおける音楽とか才能ってのは第四の道というか
松谷さんの言葉で言うトコの博打なんですよね。
私はそこがヤンキー的で好きなんですけど(笑)

だから女の*2あがりの道って四つで

1、社長(経営者)の道
2、社長婦人(母)の道
3、キャリアウーマン(会社員)の道
4、才能の道
の四つってことでしょうか。

っていうか社長への道ってのは一番実感わかないですね。
本気で社長になりたいって思ったらそれに伴う資産が必要で
だとしたら、それが最初からあるボンボンか3、4で蓄えてやっと参加できる
ってイメージですよね。

あっ関係ないけど浜崎あゆみにはエイベックスの社長になってほしいです。
この間の事件は久々に胸がすっとした(笑)アユ自体は興味ないんだけど。

追加・上で書いた4つの道の他というわけではないけど、その4つに共通するサクセス=成りあがりの道から降りるという道*3もある。
多分スローライフってのはそういう方向なんだけど、それ自体が実は豊かさの上にしか成立しないもので、それは例えばオウムみたいな宗教にも当てはまる。
以前に書いた「居場所」
http://d.hatena.ne.jp/narko/20040826
を支えるにはある程度の資金、資産を稼ぐことは必要最低条件*4だけど、居場所を崩壊させてまで稼ぐ必要はない。それでは本末転倒ってのが今の意識なのかなぁと思う。

だからナナはレンとの関係より音楽の方が上だけど、それよりバンドの関係とハチとの関係、つながりを維持するのに過剰なまでに力を注いでる気がする。音楽もその手段というか。
だから例えばBECK読んで音楽やりたくなる人はいると思うんだけどNANA読んで音楽やりたくなる人ってあんまいないと思う。もっと人間関係への憧れとかが先というか。
いや居たら「ゴメンなさい」だけど

彼氏や仕事は取替えが効くけど
「仲間」や居場所は入れ替え不能、そういう風に考えてる人って結構いるんじゃないだろうか?
逆にいうとそれだけ流動性が激しいってコトなんだろうけど。
その辺りの優先順位は多分上の世代の人と違うんだろうなぁと思う。

*1:いや矢沢あいさんの経歴ってよく知らないんだけど、ヤンキーの近くにいた不良美大生ってイメージ

*2:いや別に男もなんだけど

*3:そもそもモダンガール論の結論はそこだった

*4:この前提を無視した上で出来上がってる場所ってのは所詮モラトリアムの場所でしかないんだと思う。