どう観たか?あと今更エヴァについて考えることについて

こいつの解釈の仕方にはかなり疑問が残るというかそれはこじつけすぎってのがかなり多いと思った。つーかアスカの復活シーンてあれウルウルねらいじゃない気がするんだけど。
復活の中に悲しみを持たせてるんじゃまいかと。相手人間だし。
レンタルビデオ屋いって劇場版のビデオジャケット(裏面)見ると泣けるぞ!二分はそこでフリーズするな。 http://www.kumatta.net/ckn/webdiary/webdiary.php

まぁ全文引用しといて最後にコイツ呼ばわりか?とかは思ったけど
それはどうでもいいや。
ただアスカ復活のシーンは春2回、夏2回リバイバル1回観て
LDでも何回か観てるけど、その度にウルウル来ますけどね。
他のシーンは客観的に見れるようになったんですけどこのシーンはダメです。
多分演出とかカット割り、ロケットが飛んでくるタイミングとかがいいってのと
陰鬱な展開で溜めに溜めて復活だからってので半分は説明つくんだけど。
もう半分は個人的に当時の私の気分と被ってたというか。
アスカ自体にはそんな思い入れなかったんだと思ってたんで意外でしたね。

確かに、つくり手の意図はサントラのそのシーンの音楽が「偽りの再生」であることから伺えることなんだけど、こういっちゃ何だけど「作り手の意図」なんて知ったこっちゃないですけどね。
正しい解釈って何?模範解答でもあるんですかねって感じ。

犬惑星さんも自分の自衛隊入隊時の天井とエヴァを重ね合わせてましたけど、私にとってエヴァって作品単体だけじゃなくて95年秋から97年夏までにどう観たか込みなんですよね。
こういうこと言うとリアルタイム至上主義みたいだけど、ここは言っちゃっていいと思う。

自分の記憶込みでないと書けないし、だからエヴァ語りは恥ずかしいんですけど、まぁこの暑さにまかせてしばらくやるつもりなんですけどね。

もっというと本放送が終わってからが私にとってのエヴァって感じがします。
本放送が終わって次の週にうちでとってた読売新聞に大塚英志エヴァ評が載ったり
受験に失敗していった専門学校で延々エヴァの話してたりとか。
それで知り合った子と仲良くなったり
ユリイカとかクイックジャパンの記事読んだり。
映画館で並んだり
今雑誌とかビデオとかラジオを録音したテープとか整理してるとエヴァ関係のがやたら出てくるんですよね。
結局アレってほとんど90年代唯一、大手メディアが仕掛けた流行じゃなくて、私達の側、まぁ言ってみればオタクもしくは暗い子が自発的に盛り上げること、盛り上がることができたイベントというかムーブメントというか。それでいてヤマトとかガンダムみたいな無残な終わり方じゃなくて、まぁ後々くだらないゲームとか出したとしても、少なくとも作品は妥協せず貫徹できた唯一の作品だと思うんですよ。
まぁスタート時点でアニメ雑誌が積極的に取り上げたってのはあったとしても、やっぱそう言っていいと思う。
あと世相的に95年が震災とオウムの事件があってちょっとずついろんなことが崩れてく過程だったのがシンクロして、当時見てた若い子は建前はカッコイイとか綾波カワイイとか言ってたかもしれないけど結構本気で「これからどう生きてくのか?」って考えたかったんだと思う。
私はゴー宣とか宝島30とか読んでたから思想的な話とか抵抗なかったけど、みんなはやっぱ抵抗あったからエヴァのこと考えるふりして「今の現実をどう生きるか」を考えてたんだと思う。
まぁちゃんと聞いたことないからわかんないけど。

それが下の世代になると酒鬼薔薇事件とかあって、よりダイレクトに受け取ってて、その流れがバトルロワイアルまで行くんであって。
その世代の人で今メディアに出てる人ってファウストの作家だけじゃなくて例えば松田龍平綾波が初恋とか言ったり、バンブがアルエとか本気で作ったり、栗山千明が目標は綾波レイかなとか
言っちゃうわけですよね。
もしかしたら単にグッズとか買って番組みてただけで偉そうに言うなって思うかもしれないけど
私は言ってもいいと思う。
昔のクイックジャパン読んでたら竹熊健太郎さんが自分もスタッフになって参加してたような気分だって感じのこと言ってたけど。ソレは私も感じる。
当時はただ一心不乱に見てたし文句も言ってたけど。

ただ正直今まであんまりエヴァの話題は出したくなかったんですよね。
共通言語になりやすい分、そればっかりになる気がしたし、もっと他のものも観んとって気分で。
個人的には去年の木更津キャッツアイの映画でエヴァ的なものの埋葬はすんだ。
と思うんですよね。
私の言葉でいうとやっと「僕」系のエヴァと拮抗する「俺」系の表現が出てきたというか。
宮藤さんのドラマや映画がちゃんとあるから、やっと過去のものとしてエヴァを語れるし、その良さや影響を客観的に見れるというか。
だいたい来年はもう2005年ですからね。
「時の洗礼を受けてないものを信用しない」って台詞が確か「ノルウェイの森」にあったけど
今観てちゃんと強度を保ってたからOKかなと思う。
今はそういう気分。

ちょっと大きいこと言うと今ってそういうサブカルチャー自体に嫌な閉塞感を感じるんですよね。
何せ堤幸彦セカチューやるくらいだし。
全部綺麗に整理されて住み分けられてて出てくるものはリメイクばかりで気持ち悪いというか。
本気で新しいことオリジナルなことメッセージを出そうって人どんくらいいるの?
それを支える人は?
って感じで。
こういうこと簡単に書いちゃいけないのかもしれないけどやっぱマイケルムーア華氏911を作って
サウスパークのトレイ・パーカーとマット・ストーンがチームアメリカを作って政府を本気でおちょくって政府も向きになるアメリカが羨ましいですよ。
向こうはフォースインパクト来てるなぁって思う

やっぱサブカルの基本は悪意なんですよね私にとって。
ホント「傷口に練りワサビ」というか。
「癒し」とか「慰め」とかいらねぇつーの
どーせ商売のための嘘なんだし。
まぁどーせ嘘なら「癒し」がいいって人も居ていいし。
そういう人はハロプロとかウォーターボーイズとか観て元気になってセカチューとか冬ソナ見て泣いてりゃいいけど。

少なくとも私にとってはエヴァって癒しじゃなくて悪意だったと思う。
「気持ち悪い」は愛のある言葉ですよホント。
まぁ何が言いたいかというと、もうそろそろフォースインパクトの準備しといてもいいんじゃ
ないかな?ってことですよ。
少なくともサードインパクトはあったんだから。

正直、エヴァみたいのを本気で必要としてる人がどんくらいいるのか私はわからない。
あの時期はたまたま多かっただけなのかもしれないし、ヒットも偶然が重なっただけなのかもしれないし。でも考えることはできるからね。
どうせ、この夏、何もないしつまんないなら、真剣にエヴァについて考えるのもいいかな、と思う。それで来年もしエヴァ10周年とか言って盛り上がったら「はぁ?今更エヴァ?」とかいって馬鹿にするのさ。
ってことで私の今年の夏はエヴァです。しばらく