キャシャーン 監督・紀里谷和明
ちょっと冷静に書けそうなので簡単に。
私的にはこちらの「ふぬけ共和国」さんの感想が一番適切で理解できました。
http://picnic.to/~funuke/comic04/turezure052.html#casshern
多分この作品を巡る評価って
映像、物語構成、メッセージ性の三つをどう考えるかで
映像はいいけどストーリーとメッセージはダメ
と
映像もストーリーもダメだけどメッセージには感動
と
映像もストーリーもダメだしメッセージは幼稚(私はコレ)
の三派(いくら何でもストーリーを褒める人はいないだろう多分)
だと思うんだけど
やっぱ「ふぬけ共和国」さんが書いてる、戦争に対する考え方の脆弱さがまずダメでしたね。私は、途中へんなカバラみたいな文字が出てきてオカルトに行くのか?というイヤな予感は見事に当たったし。
多分評価する人は「あえて脆弱さをさらけ出した」みたいな評価だと思うけど
それは好意的すぎかなぁと思います。
基本的に滅亡オチって嫌いなんですけど、この作品の場合いろいろがんばったけどうまくいかなかったって感じがしないんですよね。
最初から結論あり気に見えて*1。
だいたいキャシャーンがヒーローとして機能してない*2のが致命的で
紀里谷監督が本当にキャシャーンが好きだったのか?疑います。
「ふぬけ共和国」さんも書いてたけど
どうして日本ではヒーローものが成立しなくなっちゃったんだか、ここ最近で一番ヒーローものとして機能してたのがゼブラーマンだったってのはオタク表現にとって結構一大事だと思うんですけどねぇ。
多分、紀里谷さんは育ちのいい善人で本気でこういうことを考えて悩んで映画を作ったんだと思いますよ。
で、それを踏まえて言うなら「善人は戦争映画を作るな」っていいたいです。
そもそも反戦をテーマにした戦争映画を作ることが矛盾なんですよね。
レイプ批判のポルノ映画を作るくらい矛盾してる。
口では「何で争わないといけないんだぁ〜」とか言いながら、作り手は気持ちのいい戦闘シーン*3を描いてしまってて。その気持ち悪さもあります*4。
それだったらスターシップトゥルーパーズとかフルメタルジャケットの方がフェアだなぁと思います。
結局ものごとを考えるってことは+の面と−の面両方見据えないといけなくて
それは「戦争」や「平和」ですらそうなんですよね。
で、善人にはそれができないと思う。
悪人は善人を理解できるけど善人は悪人を理解できない。
これは極端な考えかなぁ。
あと映像は綺麗っていう人にも私は違和感があって
イノセンスでもそうなんですけど私は3DのCGを使ったビジュアルにどうにも慣れないというか美意識を感じないです。
リアルにすればするほど嘘くさくてどうでもよくなるというか。
多分あれがいいっていう人はプレステ以降のゲーム世代だと思います。
私はニンテンドー64のゼルダの伝説を最後にゲームやってないから。
あのゼルダを見た時、酔いましたからね(笑)
あれやバイオハザードが初めからOKの人は違和感ないのかなぁとか思います。
どっちかというとトラベリングのミュージッククリップみたいな方がCG向きと思うんですけどねぇナイトメア・ビフォアー・クリスマスやマーズアタックみたいな。
紀里谷監督には宇多田を主演にトラベリングの世界観を映画化して欲しいです
スペーススチュワーデス物語みたいな。
善人は無茶しないでください。