語りたい欲望について

女オタクは何故語られないか?について
id:hizzzさんのネタのタネ内で語られていて読み応えあるんだけど
http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20040329

私はあんま男オタクと女オタクの違いで考えたくないなぁ

例えば男オタクのコともエヴァブームの時、何人か話したし
その流れでギャルゲーに行った人も知ってるけど、たいていの人はグッズを買ったり番組を追いかけるけど作品を批評的に語るってトコまでは行ってなかったと思う。
せいぜいレイとアスカどっちが好き?とか、話の節々でエヴァネタが出たりとか(試験の前に「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ」とか言ったり)そんなもんですよ。
そんな中でさユリイカとかスタジオヴォイスやクイックジャパンの受け売りのエヴァ論を言う奴がいたら「また言ってるよアイツ」みたいな寒い視線が来るだけでさぁ*1、ましてやオタク論なんて少なくともリアルオタクの人は考えない。
そっち系の本買う暇あったらキャラクターグッズ買うよって感じで
つまり「語りたいって欲望」をもった時点で、その人はそのコミュニティから外れてると思っていいんじゃないですかね?
もしくは「語りたがりオタク」*2なんじゃないでしょうか?

あと、どのオタクもしくはオタクコミュニティについてもそうだと思うけど、
コミュニティに対する自己言及ってある種タブーなんですよ。基本的に
やりだしたら血の雨が降るに決まってるし。

つまり語りたい人*3の方が少数派だと思うんですよ。男女問わず。
ネットってさぁ基本的に言葉の世界で、書かれたことしか存在しないから、何故「女オタクは語らないのか?」って疑問が出るんだろうけど。

だから問いとしては「何故語らないのか?」じゃなくて「何故自分達は語りたいのか?」を問わないといけない気がするんですよね。
オタク論とかジェンダー論をやりたい人は。
もっというと何で自分はわざわざ分析とか批評とかするのか?

(その対象について)語りたい自分を保留にして語られたコミュニティ論(オタクでもジェンダーでもやおいでも)はたいていそのコミュニティの人を不愉快にする外部からの言葉って気がするし、もちろん届かない。

で、あえてここに男女の差を見るなら
そういう自分を保留にした見取り図を作るのは男性の方が多い気がする。
女性の場合もっと中に入って、一種の体験ルポみたいな書き方をするような。

ちなみにやおい論なら漫画家の榎本ナリコ/野火ノビタさんの「大人はわかってくれない」がよかった(エヴァ論と冨樫義博論の印象が強くてあんまおぼえてないけど)
あとそもそもオタクってのは個人的なもので普遍的なオタク像ってのがないんじゃないかなぁ。だから野火さんの論も「私は〜」って保留をつけてた気がする。

これは自分にもその傾向があるから思うんですけどね。
(だからこんな日記を書いてるんだけど)

*1:私のことです。もちろん

*2:だからモーオタさんのサイト見てても「モー娘。をネタに語る僕」ってのが第一にある気がするんですよね。本気で好きなんじゃなくて、一時期のソニンの語られ方でもそうで、ソニンが好きなんじゃなくていかに「ネタとしてのソニン」を語るかって感じで、私から見るとそっちの方が明らかに特殊ですよ。普通のアイドルやミュージシャンのファンの人はちゃんと純粋に好きですよ多分。

*3:もしくは語るスキルがある人