四話 摩子ちゃんいじめた 怒りの肉丸

この回の内容は、肉丸君が別の女の子たちの写真をもってたことに激怒した摩子ちゃんが肉丸君とケンカ、そして学校は伊賀組と甲賀組に別れた体育祭が始まる、二人は伊賀、甲賀に別れる、はたして二人の仲はどうなる?
という感じのもの。
う〜ん正直いって今見ると後味があんまよくない、それはひとえに、この話における魔子ちゃんの役割に関してなんだけど。まず最初の肉丸君が別の女の子の写真を持ってて怒るのはギリギリコメディとして笑えるんだけど、そこで見える魔子ちゃんの肉丸君大好きの内実がどう見ても「魔子を愛してくれる肉丸君が好き」って感じなの、そりゃさぁ、恋愛のその要素があるかないかっていったらアリアリなんだけど、これって見せ方次第ではすごく不快なものに見えてしまう*1、しかも最後は肉丸君が魔子ちゃんを助けて、仲直りってオチなんだけど、そこに至る過程が単に魔子ちゃんの愚かさなんだわ、しかもこれは体育祭とはいえ一種のテストの最中の出来事、そこで摩子ちゃんのピンチに肉丸君は競技を放棄して助けに、しかも味方の忍者と戦うという展開になる。

ただ私は子供の頃この構造が好きだったのね、「魔子ちゃんいじめた」っていって肉丸君が最後に戦ってシャンシャンっていうパターンが。これもタッチの南ちゃんと同じでやっぱ年とったからかなぁ?
どうにも魔子ちゃんの弱さが目立ってしまう。ただこの構造自体が後半、魔子ちゃんによって否定されるのよね、肉丸君に頼りっぱなしの自分に摩子ちゃんがイヤになって一回肉丸君から離れる話があった気がする。多分時代もあったんだろうなぁ、この前後にはうる星やつら風の谷のナウシカが出てきてるわけで、男の子が女の子を守るという話自体が機能した最後の作品かもしれない。
コレ以降って男の子と女の子は守る守られるの関係じゃなくていっしょに戦うって感じになってくもんね*2、読者もそういうのを好むし、あるいは強い女の子達が男の子を守るみたいな。
私さぁ女の子が守られるだけはイヤ!って言う気持ちはわかるのよ*3、でもだからと言って男の子が女の子を守らなくてもいいってわけじゃないのよね、だから肉丸君自体には不快感はないのよね、ただ自分が一方的に守ることで魔子ちゃんをダメにしてる部分があることには気づいてほしいけど、まぁ高校生じゃ無理な話か。あとこの回では新キャラとして風魔小太郎という生徒会長(だったと思う)が出ます。あんまりキャラが立たなかった*4気がするけど。

追記、「さすがの猿飛」の後ガンスリンガー・ガールってアニメの第一話がやってたんだけど、ものすごく不快になった。これってさぁ大人の男が少女を戦わせる話でしょ?しかも自分は後ろにいて、しかもそれを少女の成長譚みたいにしていい話にしようとしてる感じがヤだった。監督が「カードキャプターさくら」の人なのよね、だから演出がきめ細かいんだけど、その分不快なトコが際立ってた、これが今のアニメの現実なのかな?さすがの猿飛みたいのってもうできないのかなぁってちょと悲しくなった。

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*1:これが例えば宮藤官九郎さんの脚本の場合だったら、うまく笑いに昇華できるんだけど、

*2:ポケモンとかそうでしょ

*3:正確に言うと露骨に守られるのはイヤ!って感じで足長おじさん的に後ろで守られるのは嫌いじゃないのかもセーラームーンのタキシード仮面とか紫のバラの人みたいに

*4:もうちょっと肉丸君のアンチ的なエリート忍者にすれば面白いのになぁ